月齢別アドバイス

2020-08-20

Ⅰ.どの月齢にも共通すること

どの月齢であっても共通して大事なことは、正しい“知識”(1)と、子どもを良く“観察”すること(2)です。子供の睡眠を正しく理解した上で、月齢に合った対処法を知りましょう。

1.睡眠に関する知識(「子供の睡眠メカニズム」参照)

乳幼児の眠りは、大人の睡眠と違って未熟です。日々の成長で急速に睡眠のリズムを身につけつつあるこの時期には、規則正しい生活の刺激がとても大事です。

・大人も子どもも一晩の間に「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」からなるワンセットの睡眠サイクルを繰り返していますが、“赤ちゃんは睡眠サイクルの谷間をうまくつなげることができず、泣いたりぐずったりしてしまいます。この時、すぐに親が抱き上げてあやしてしまうと、自力で谷間をつなぐ学習を妨げることになってしまいます。

また、赤ちゃんは、眠っていても日常的に手足を動かしたり声を出したりしています。浅い眠りの時にすぐにあやしてしまうと、抱き上げること自体が、赤ちゃんを起こしてしまう可能性もあります。

2.「ちょっと待つ」の絶大な効果(「子供の睡眠メカニズム」参照)

普段から、夜は泣いてもすぐにあやさず、「ちょっと待つ」て、まずは赤ちゃんの様子を良く観察します。

これは、決して放置ではありません。睡眠相の切り替えがうまくいっていないのか、それとも完全に目が覚めてしまったのか、赤ちゃんの睡眠のサイクルを良く考えながら、まずは観察します。

そして、本当に目が覚めたと判断した時だけあやすようにします。これによって、睡眠の谷間をつなぐ学習を妨げたり、すぐに抱き上げることで逆に目を覚まさせてしまうことを避けることになります。(こちらもご覧ください→ )

子供は日々成長していて、睡眠のリズムを急激につけつつあります。一般的に、昼夜の区別ができてきて睡眠のリズムがついてくるのは、6か月くらいと言われています。

一方で、乳児の活動量を調べた研究では、生後6週間で約1日の周期がみられるそうです。これは、早い時期から子供に24時間周期で生活の刺激を与えて適切な対応をすれば、正しいリズムをつけられる可能性を示しています。

その良い例として、フランスの子育てがあります。フランスでは、かなり早い時期から(生後6週間くらいから!)朝までぐっすり眠れる赤ちゃんが多いそうです。(「フランスの子どもは夜泣きをしない-パリ発『子育て』の秘密」参照)

また、睡眠学者の見解では、子どもの睡眠を整える上で一番大事なことは、「親が正しい知識を持って、早めに対処していく」ことだそうです。(参照→ )月齢に合った対処法を、少しずつ実行してみましょう。

Ⅱ.月齢別の生活アドバイス

新生児(こちらもご覧ください→「4か月くらいまで…眠り上手な赤ちゃんにする絶好のチャンス!」)

昼夜の区別なく小刻みに眠ります。この時期は特に添い寝が便利です。しかし、規則正しい生活のためにこの時期からできることもあります。

・夜中のおむつは本当に濡れている時だけにする

・夜は部屋を必要以上に明るくせず、授乳後はすぐにベッドに戻す

・遊びの時間は日中だけにする

4週~

(こちらもご覧ください→「4か月くらいまで…眠り上手な赤ちゃんにする絶好のチャンス!」)

・授乳の間隔を3時間程にあける

・一日の最後の授乳の時間を決め、毎日なるべく同じ時間に授乳するようにする。

(これによって次第に昼夜の区別がつけられるようになります。)

5-7週~(もしくは体重5キロ以上)

(こちらもご覧ください→「4か月くらいまで…眠り上手な赤ちゃんにする絶好のチャンス!」)

・昼寝が長くなりすぎたら起こし、夜寝る前もなるべく遊んで起こしているようにする

・夜10時以降の授乳後は起こさず、泣いてもすぐには授乳せずに少し様子をみる。

(本当におなかの空いた時だけ授乳し、子供を落ち着かせるためだけの頻繁な授乳をなるべく避けます。これによって授乳が唯一の寝かしつけの手段となることを防げます。)

・一日の最後の授乳から翌朝の授乳までの時間を徐々にのばす

・できれば、時々、目を覚ましているうちにベビーベッドへそっと置いてみる。

(一人で眠ることができるようにするネントレの準備として。)

6か月~

(こちらもご覧ください→「6か月を過ぎたら…まずはチェック」)

・食事や昼寝、入浴等も含めた規則的な生活リズムをつける(特に就寝は毎日決まった時間に!)

・適正な睡眠時間の決定(9時前が理想です)

・年齢に合ったお休み前の儀式

(寝る前30分はおっぱいや哺乳瓶は避け、本を読む等の儀式を毎晩行ってから就寝するようにします)

この月齢で、それでも寝付きの悪い場合は、

ネントレ

を考えてみてください。(→「ネントレの具体的な手順」)