「ファーバー式ネントレ」とは?

ネントレ」とは

「目を覚ましているうちにベッドにねかせ、一人で眠りにつくことをおぼえさせる方法で、

「ファーバー式」はそのバリエーションのひとつです。

そもそも欧米では、昔から「子供を1人でベッドに入れ、泣いても絶対にそばにはいかず、朝まで放っておく」という寝かしつけの方法が行われていました。この方法には一定のメリットもあり、この時代には子供の夜泣きの問題はほとんどなかったとも言われています。

しかし、この方法では赤ちゃんが本当に助けを必要としている時に気づくことができません。また、親が「生活することだけで精一杯」であった時代であればともかく、現代の普通の親が泣き続ける我が子に無反応でいることは難しく、とても残酷な仕打ちをしているように感じてしまうでしょう。

そこで、「子どもが一人で眠りに入れる」ように練習させるためのネントレの改良版、つまり色々なバリエーションが登場することになります。そのひとつが、このサイトで紹介する「ファーバー式」と呼ばれるものです。 (「ネントレとは?-ホントのところ」より)

ファーバー式」は、昔からある“泣かせたまま子どもを完全に放置するネントレ”の改良版ネントレの一つ。

「一定の時間を置いて子供の所に戻り、様子を確認して慰める」という手順を加えた、よりマイルドなネントレです。「泣かせっぱなし」で放置する方法は、英語で“extinction”、ファーバー式は “graduated extinction”と呼ばれています。他にもネントレのバリエーションはありますが、一番有名なのがこの方法。

ファーバー式の“ファーバー”というのは、考案者である小児科医の名前です。

この方法は、乳幼児を短時間で寝つかせて夜も通して眠れるようにする方法として、1980年代半ばに開発されました。開発者のファーバー博士は小児科医で、米国ボストンの児童睡眠センター(注)の所長。「子供の睡眠の専門家」です。

(注):児童睡眠センター:子供の寝かしつけや睡眠に関する問題を解決する為の世界で初めての施設。

ネントレは子供を別室のベッドで寝かせるのが一番効果的ですが、親と同室のベッドもしくは添い寝でも可能です。

手順

まず、子供が起きている時にベッドに入れ、泣き始めても一旦部屋を出ます。

次に、決められた時間間隔をおいて部屋に戻り、ベッドから出さずに短時間なぐさめて部屋を出ます。

そしてこれを泣きやんで眠るまで繰り返します。

欧米で昔からある、ひたすら泣かせて覚えさせる(=泣かせっぱなしで放っておく)方法の改良版といえます。

ただし、やみくもにネントレをしてもだめで、前提として、正しい睡眠リズムのための注意点がいくつかあります。

寝つきを良くする最良の薬は規則正しい生活です。まずは子供に合った睡眠時間規則正しい生活を送ることが求められます。そのうえで6カ月を過ぎても寝つきが悪く夜泣きするようであれば、ネントレを行います。

ポイント

適応

おおむね6か月以降から。子どもの睡眠に関する知識を持ち、正しい生活習慣を実践しても睡眠に改善がみられない場合に適応。

寝る場所

・添い寝か別室か:

ネントレ時はベビーベッドで別室に寝かせるのがベストですが、添い寝もしくは同室にベッドを置いている場合でも実行可能です。

《参考文献》 『赤ちゃんがすやすやネンネする魔法の習慣』(Aカストツアーン/H・モルゲンロート著)