4か月くらいまで:眠り上手な赤ちゃんにする絶好のチャンス!

2020-08-20

月齢4か月までは「朝までぐっすり」をマスターできる魔法の期間

全ての月齢で一番大切なのは、正しい睡眠の知識。その“知識”が、特に大きな力を発揮するのが、月齢4か月までの赤ちゃんに対してです。

4か月までなら、正しい知識を持って適切な対応をすれば、上手な眠り方をやさしく教えてあげることが出来ます。

大事なことは…下記の二点でしたね(「月齢別アドバイス」より)

  • 睡眠に関する知識(「子供の睡眠メカニズム」参照)

・乳幼児の眠りは、大人の睡眠と違って未熟です。日々の成長で急速に睡眠のリズムを身につけつつあるこの時期には、規則正しい生活の刺激がとても大事です。

・大人も子どもも一晩の間に「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」からなるワンセットの睡眠サイクルを繰り返していますが、赤ちゃんは睡眠サイクルの谷間をうまくつなげることができず、泣いたりぐずったりしてしまいます。

この時、すぐに親が抱き上げてあやしてしまうと、自力で谷間をつなぐ学習を妨げることになってしまいます。

また、赤ちゃんは、眠っていても日常的に手足を動かしたり声を出したりしています。浅い眠りの時にすぐにあやしてしまうと、抱き上げること自体が、赤ちゃんを起こしてしまう可能性もあります。

  • 「ちょっと待つ」の絶大な効果

普段から、夜は泣いてもすぐにあやさず、「ちょっと待つ」て、まずは赤ちゃんの様子を良く観察します。これは、決して放置ではありません。

睡眠相の切り替えがうまくいっていないのか、それとも完全に目が覚めてしまったのか、赤ちゃんの睡眠のサイクルを良く考えながら、まずは観察します。

そして、本当に目が覚めたと判断した時だけあやすようにします。これによって、睡眠の谷間をつなぐ学習を妨げたり、すぐに抱き上げることで逆に目を覚まさせてしまうことを避けることになります。(こちらもご覧ください→ )

3か月から6か月の間に、『朝まで眠れるようになり、最低でも8時間から9時間眠り…』」

これは、フランスの有名な睡眠ガイド本の記述です。「こんな赤ちゃんはめったにいないだろう」と思いますか?

個人差もかなりありますが、一般的に「睡眠のリズムが出来てきて夜間に安定して眠るようになる」のは6か月くらいから、と言われています(参照→ )。3~6か月で朝までぐっすりなら、「ずいぶん早い時期から上手に寝る赤ちゃん」という印象です。

しかし、フランスでは、これより早い時期からの「朝までぐっすり」が常識になっているようです(「フランスの子どもは夜泣きをしない-パリ発『子育て』の秘密」参照)。フランスの赤ちゃんだけに特別な能力があるとも思えないので、育てる親側のちょっとした対処法の違いがこの魔法を生んでいるように思います。

具体的に言うと、泣いたりぐずったりしてもすぐにあやさずに「ちょっと待つ」。赤ちゃんを注意深く観察し、睡眠のリズムを見極めることです。時には5分から10分ほども「ちょっと待つ」て様子をじっと観察します。この「ちょっと待つ」という簡単な方法が、魔法のような結果をもたらします。

(注)このフランス流の子育ては、「フランスの子どもは夜泣きをしない-パリ発『子育て』の秘密」に詳しく書かれています。興味のある方は是非読んでみてください。

フランス人小児科医によると、この「ちょっと待つ」はきわめて大切で、「ごく初期からそうすることで、赤ちゃんの眠りに大きな違いが出る」といいます。

「夜更けのぐずりにそれほど反応しない親の子どもは、眠るのが上手。すぐに反応する親の子どもは、夜中に何度も起きて、親を困らせます」

という事です。

日本で、泣いている赤ちゃんを前にして親が何もせずにいたとしたら、どうなるでしょう?ごく一般的な反応は「早くあやしてあげれば良いのに!!」というものではないでしょうか。

しかし、慌ててあやす必要はなく、むしろその方が正しい対処法だとしたら?

よかれと思って熱心に抱き上げてあやし続けた結果、睡眠の悪い癖をつけてしまっているとしたら?

4か月未満はたやすく“良い睡眠”を身に着けられる「魔法の期間」です。この時期は育児が特に大変な時期ですが、もし赤ちゃんが「朝までぐっすり」を身に着けることができたとしたら、育児は劇的に楽になりますね。

ちょっと待つ」という簡単な“こつ”なら試す価値が大いにありそうです。

《参考》「フランスの子どもは夜泣きをしない-パリ発『子育て』の秘密」