批判や心配な点-ネントレは脳にダメージ?

アタッチメントペアレンティング」のシアーズ博士は、少しでも泣かせることに対して激しく批判し、その批判の根拠となる論文をいくつかあげています。

子供の脳にもし悪影響を与える可能性が少しでもあるのなら、心配でネントレを続けられません。それが本当なら、ネントレを考える上で無視できない問題です。

しかし、結論からいうと、指摘に科学的な裏付けがあるとは必ずしも言えず、大方は感情的な主張のようです(注)。必要に迫られながら、しかし不安な気持ちでネントレする方がいるとすれば、その方々を安心させる材料といえるのではないでしょうか。

博士の批判を検証する記事をTIMEが掲載しています。興味のある方は下記をご覧ください。(詳しくはこちらへ→TIME誌

スポンサードリンク




たとえ短時間でも泣かせることは脳にダメージを負わせ、将来的にIQを低くする-これは科学が証明している」としていくつかの論文を引用→

【批判の検証】
論文のほとんどは人間以外を対象にした実験です。
唯一人間を対象としているのは、2004年ドイツの託児所で70人の新生児を対象にした実験です。唾液の成分を調べて、ストレスを感じている時に上がるコルチゾールのレベルが高い、というもの。しかし、これも専門家によると一旦コルチゾールレベルが上昇しても30分以内に下降するもので、なおかつ「観察された範囲の上昇では脳にダメージを与えるとまでは言えない」そうです。

 

「子供が泣いている時に親がすぐに反応しなければ、将来反社会的な言動やADHDのリスクが高まる」という指摘→

【批判の検証】
シアーズ博士が根拠として引用したいくつかの論文は、ごく普通の子供でなく、異常に泣き続ける等何らかの問題を抱えた子供を実験対象にしています。
子供が泣き続けるのは発達上の問題が原因ではないか?だとすれば、実験結果を家庭での育児の方法と関係づけていること自体に問題がある、ということです。

また、シアーズ博士の引用の問題点は「育児放棄や深刻な虐待をうけた子供と、たまに泣かせるくらいの普通の家庭の子供とを混同している」ことだと指摘する専門家もいます。

論文を引用された学者本人も、「非科学的な考えを正当化するものだ」と、シアーズ博士の論点を批判する内容のコメントを発表しているようです。

 

(注)ただし、「泣かせるネントレ」への批判が正しいといえなくても、シアーズ博士の提唱する「アタッチメントペアレンティング」自体に欠陥があるというものではありません。アタッチメントペアレンティングは、ファーバー式の寝かしつけとは違う考え方に立つ、また別の方法論です。米国でも現在大勢の方に支持されています。