規則正しい生活と睡眠の重要性-睡眠不足と学力との関係

乳幼児期のいま、親が子どもの良い将来の為にしてあげられることとは何でしょうか?

それは、「睡眠と生活習慣についてのしつけ」です。

乳幼児期は体内時計を昼夜リズムに合わせていく重要な時期。しかも、良い習慣は親のちょっとした努力で比較的簡単に身に着く時期です。

睡眠を含めた生活のリズムを短期間に急激に確立しつつある大事なこの時期に、悪い睡眠や生活のくせを身に着けてしまうと、後々までその問題を引きずりかねず、さらに別の大きな問題行動の引き金になってしまう可能性もあります。そして、子供がもっと成長して自分の意思を持つようになれば、一旦身についてしまった悪い習慣の修正には多大な努力を要します。

体内時計のリズムを正しくするためには、まずは朝の光を浴びること。

そして、食事や社会的環境の刺激を正しく受けること。

つまり、当たり前のようですが、昼夜に合わせて規則的な寝起きを繰り返し、生活リズムを正しくつけること。それが重要です。

睡眠のリズムを整えれば、「子供の心身、特に脳の成長を助ける」ことになります。

逆に、睡眠を犠牲にすることは身体や脳の成長を犠牲にすることにつながります。「ノンレム睡眠」(睡眠について詳しくはこちら→子供と大人の睡眠の違い)という深い睡眠の状態の時は、脳下垂体から大量に成長ホルモン(注)が放出されます。この成長ホルモンは、骨を伸ばし、筋肉を増やす作用があるのです。

(注)成長ホルモンについて:大人が対象の断眠実験では、たとえ睡眠が足りなくても成長ホルモン分泌の総量自体は変わらない、という結果がでています。その場合成長ホルモンはだらだら分泌されるためです。しかし、成長に必要かもしれないといわれている、一時期に大量の分泌はなくなってしまいます。(小児の断眠は倫理的に問題があるので、実験は大人対象のものしか行われていません)。

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「学業成績の良い子は就寝時間が早く、逆に夜更かしの子の学力は低い」

ここに、ちょっと気になる調査結果があります。

成績だけが全てではありませんが、親として無視できない問題だと思う方も多いのではないでしょうか?

これは福岡教育大学で小学校高学年の子供の睡眠と学業成績との関係を調査した結果です。学力が上位の子供たちの5割9時半前に就寝しているのに対し、学力が下位の子供たちが9時半前に就寝する割合は、2割。逆に10時半以降に就寝している子供の中で成績上位者はいませんでした。
また、下記は日本経済新聞に掲載された、不登校と睡眠に関する記事です。

「夜10時以降に寝る小学生は、中学校で不登校になりやすい?」

これは、福井県のある小学校での調査結果です。この小学校では、卒業生が中学進学後に不登校になる確率が他の小学校より高かったため、原因を調査。その結果、2007年当時、同校で夜10時以降に就寝する生徒の割合は62%。同じ中学に進学する他校の生徒の割合(11%)と比べて際立って高かったそうです。

このため、この学校では、睡眠のリズムを整えるべく家庭を巻き込んだ対策がなされました。2012年の調査では10時以降に就寝する子供の割合は23%にまで下がり、卒業生の不登校も初めてゼロになりました。(日本経済新聞2012年12月18日夕刊より)

 

それでは、「小学校にあがったら早起きすればすむ話では??」これはだれしもが思う事です。特に、両親が仕事を持っていれば、早く寝かせるのは至難の業です。

しかし、残念ながら睡眠のリズム、生活のリズムは一朝一夕には身につきません。幼いころからの乱れた生活習慣や生活リズムの乱れが積み重なって、学童期の夜更かしにつながるのです。積み重なった習慣を後から修正するのは、徐々に難しくなっていきます。

もちろん、生活リズムの乱れからくる睡眠不足は、学力だけでなく心身の健康に大きな影響を及ぼします。

体調不良や「キレやすい子」を引き起こすと言われていますし、夜更かしが続けば、慢性の時差ぼけのような状態となって抑うつ気味元気のない状態になります。肥満や老化を促進するとも言われています。
《参考文献》
「夜ふかし」の脳科学―子どもの心と体を壊すもの (中公新書ラクレ)